2018年最後の娯楽座本公演は、過去娯楽座作品に出演して頂いたゲストの方々をお呼びして総勢20名の大所帯で行った。
劇団員と同じくらいの人数のゲストに加え、日替わりゲストも登場した今作品は、まさしくお祭り騒ぎのような公演であり、今まで娯楽座が歩んできた歴史を象徴するような公演であった。
物語は大雨の降る嵐の夜。
女でありながら男になりすまして旅をする弥次さん喜多さん。
猫や幽霊が嫌いな賞金稼ぎの無用之介。
怪談話が流行った劇作家、鶴屋南北とガイドの文春。
母親の仇を探しにやって来た若侍の新三郎。
この人間たちが訪れた先は、人里離れた森に佇む一軒の旅籠。
しかしここは普通の旅館ではない。
飼い主の恨みを果たすため人間となった猫、化け猫たちの住処であった。
そうとは知らず化け猫たちに翻弄され、操られていく人間たち。
化け猫たちもリーダーの引退、新たな人造人間の誕生と次々に事件が起こる。
そして新三郎の仇が発覚した時、全てが動き出す…。
これは全て一夜の出来事だ。
今作品は「お客様参加型公演」と称して、お客様には一人一つずつ「ハッピーセット」というものをお渡しした。
雨の音が必要な時は客席全員で団扇についた玉を鳴らし、ダンスショーの時は紙吹雪を撒いて頂いた。
浅草ワハハ本舗・娯楽座時代にやっていた客席参加型がこのように復活し、客席は大いに盛り上がった。
そして舞台の中身も大人数ならではのパワーだけでなく、ゲスト陣の個性や娯楽座員が培ってきた経験で歌やダンスナンバーをそれぞれが違うアプローチで色濃くお届けした。
今回は旗揚げからの集大成のような公演となり大盛況で幕を下ろした。
新たな娯楽座が次に踏み出すのは来年3月に行われる、1か月ロングラン公演。
旗揚げした当時も行っていたロングラン公演とは、場所も人数も条件も異なる中で不安はあります。
でも不安を抱えながらも私たち娯楽座は新たな道を進んで行きますので、これからも応援の程宜しくお願い致します。